酸味はコーヒーの風味の中でも、好き嫌いが大きく分かれます。酸味が多いためにコーヒーが苦手になってしまう人もいるくらいです。豆の選び方と焙煎具合などで、酸味を抑えるヒントを考えてみましょう。
コーヒーの酸味
コーヒーを飲むと強さに関係なく酸味を感じると思います。まづはそのあたりからみていきましょう。
コーヒーは酸味がある飲み物
コーヒー豆とはコーヒーチェリーという果実の種を焙煎したものになります。
果実なので、リンゴやミカンと同じように、クエン酸など、酸味の元になる成分が含まれています。
この際分が焙煎した後にも残っているので、コーヒーには独特な酸味があるのです。ですから、酸味のないコーヒー豆は存在しないといってもいいでしょう。
ただし、酸味の強さはコーヒーチェリーの種類によって異なるので、同じ種類でも焙煎の度合いによって変わってきます。
酸化して酸味が出る
コーヒーチェリーがもともと持っている、フルーティな酸味を引き出したコーヒーはとても爽やかで、おいしく飲むことができます。
しかし、コーヒー豆は酸化しやすく、酸化した豆でコーヒーを淹れるととんでもなくえぐみのある酸っぱいコーヒーになってしまいます。
この味はコーヒーチェリー由来の酸味とは全くの別物なのです。このような酸っぱいコーヒーを飲んでしまい、その経験からコーヒーの酸味を誤解してしまい、苦手になってしまうこともあるのです。
なので、コーヒー豆は焙煎直後から酸化が進むので、購入後は密閉容器に保管して空気に触れないように保存して、早めに飲み切ってしまうことが大切なのです。
酸味が少ないコーヒー豆
コーヒー豆も様々な種類の豆があります。多少酸味があっても他の味とのバランスであまり気にならない豆もあります。酸味が苦手な人でもお勧めできる豆を3種類紹介します。
ブラジル
世界一のコーヒー生産国、ブラジルで生産されているブラジルは、軽くてクセのない味わいから、ブレンドコーヒーのベースに使われることが多い豆です。
酸味はとてもおだやかで、苦みやコクもそれほど強くありません。生産量が多いので、価格が安いのもメリットです。
マンデリン
インドネシアのスマトラ島で生産されているマンデリンは、ブルーマウンテンが登場するまでは世界最高のコーヒー豆と呼ばれていたほど、高品質の豆です。酸味は非常に少なく、深いコクとやわらかな苦みを楽しめます。
ブルーマウンテン
ブルーマウンテンは、ジャマイカのごく一部の地域で栽培されている貴重な品種です。現在は、世界最高のコーヒー豆として知られています。
酸味・苦み・コクのすべてにおいてバランスがよく、香りもとても上品です。挽きたてのブルーマウンテンなら、コーヒーの酸味が苦手な方でもきっとおいしく飲めるでしょう。ただし、ほかの豆に比べると価格は高めです。
焙煎の具合と淹れ方
酸味の少ない豆を使っても焙煎の度合いや淹れ方で酸味が強くなってしまうことがあります。ちょっと注意しておきたいことがあります。
酸味は少なく苦みが強いのは深煎りの焙煎
焙煎の度合いは、深い順に、深煎り、中煎り、浅煎りとなります。コーヒー豆は焙煎すると最初に酸味が出てきます。焙煎の度合いが深まるほど、苦みが増して、酸味は弱くなってきます。なので、酸味が一番少ないのは深煎りのコーヒー豆という事になります。
深煎りで焙煎した場合、酸味の少ない豆はさらにマイルドになって、すっきりとした味わいになってきます。酸味が強い豆でもとてもすっきりとした味わいに変化します。酸味が苦手な人に最も適した焙煎度合いになります。
深煎りのコーヒーは、濃く深くビターです。濃い味の食事や、甘いお菓子によく合います。ミルクや砂糖との相性も良く、濃いめに淹れて、カフェオレにしてもむのもおすすめです。
浅煎りでも淹れ方で変わる
浅煎りは苦みが出る前に焙煎を終えるので、酸味が強く残ります。浅煎りの豆をゆっくりと時間をかけてドリップすると、酸味だけが前に出て、とても酸っぱくなります。
そのため、浅煎りのコーヒーはお湯を注いだら、豆をスプーンなどでかき混ぜて、短時間で抽出するのが良いでしょう。
そうすることで、豆本来の酸味がスムーズにひきだされて、酸味が苦手な人でも楽しめる、さわやかな味わいになります。
最後に
酸味の少ない豆を深煎りに焙煎して、新鮮なうちに淹れることで、苦手な酸味を抑えることができるので、おいしいコーヒーを味わえます。浅煎りでも淹れ方次第で酸味を抑えることができるのです。
自分なりに参考にしていただいて、好みの味を探してみてくださいね。
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