日本発祥のコールドブリューコーヒー
実はコールドブリューコーヒーは日本発祥だって知っていますか?
これは日本の喫茶店文化にインスパイアされたものだったのです。
明治時代に日本初の喫茶店が東京にできると、様々な形態とともに広がりを見せた日本の喫茶店文化。
昭和のいつ頃からか、ぽたりぽたりと一滴ずつ抽出する大きなガラス製の水出しコーヒーの器具が店内を飾るようになったのです。
人気の水出しコーヒーは、まさに日本の喫茶店文化の象徴ともいえる。
日本でこの抽出方法を知ったアメリカのサードウェーブ系コーヒー店のオーナーたちが、自国へと水出しの器具を持ち帰って再解釈されたものなのです。
それこそがコールドブリューなのだ。
産地や品種、焙煎にこだわり、コーヒー本来のおいしさを楽しむスペシャルティコーヒーにとって、水出しという抽出方法は、とても魅力的なスタイルとなっていったのです。
滴下式の水出しコーヒーは、およそ6〜8時間かけて一滴ずつゆっくりじっくり抽出していきます。
低温で抽出すると、お湯で抽出した時とは全く異なる味わいと香りが生まれます。
苦味の角が取れてまろやかな口当たりと、雑味のないクリアな飲み口となり、
酸味や甘み、香りが液体にぎゅっと溶け込み、コーヒーの持つおいしさが最大限に引き出される。
簡単そうに見えて、奥が深いのですね。
そもそも、なぜ日本で水出しコーヒーが好まれ、人気を保ち続けているのでしょうか?
その大きな理由は、日本の“水”なのです。
一般的なブラックコーヒーのおよそ99%は水でできており、どんな水を使うかによってコーヒーの味わいは大きく変わってきます。
では、どんな水がコーヒーには適しているのか?
ミネラル分を多く含む“硬水”、特に硬度が250以上の水で抽出すると、酸味を感じにくく、苦味や渋みが出やすくなってしまいます。
反対にミネラル分の含有量が少ない“軟水”はコーヒーが本来持つおいしさがより素直に出やすくなってきます。
そして、日本の水はほとんどの地域が軟水なのです。
コーヒーそのものの味わいを楽しむ水出しという淹れ方は、日本の水が非常に適しているのです。
最後に
水だけではありません
素材の持ち味を生かしながら繊細でクリアな味わいを愛する日本人ならではの味覚も、日本のコーヒー文化に大いに影響しているのではないでしょうか?
水と風土。感性と味覚。この国で水出し抽出が広がったのは必然といえるかもしれないですね。
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