接触皮膚炎のひとつ、アレルギー性接触皮膚炎は、肌に触れた物質に免疫反応を起こし、皮膚の赤みやかゆみが生じる疾患です。
原因となる物質は、うるし(植物)、抗菌薬、ラテックス(ゴム)、日焼け止めクリーム、アフターシェーブローション、香水など、何千種類とあるのです。
中には、その物質に触れた後に太陽の光を浴びると、化学反応が起こってその物質が変化しアレルギーを起こしやすい状態になり、発疹が出たり手足が赤く腫れたりすることもあります。
それは、 アレルギー性接触皮膚炎といい、湿布などでよく起こります。
湿布を貼った後も数カ月は起こる可能性があります。
アレルギー性接触皮膚炎の中で比較的多いのが「金属アレルギー」を原因とするものなんですね。
アクセサリーに含まれているニッケル、コバルト、金、銀などに対するアレルギーで、指輪やピアス、ネックレス、時計のバンドなどに、直接触れて起こるのです。
ただ、発疹の位置とパターンから比較的、原因物質の判明がしやすい傾向があります。
金属アレルギーの中でもニッケルアレルギーは確率が高いのです。
汗でアクセサリーなどに含まれているニッケルやほかの金属が溶け出すので、汗のかきやすい夏に金属アレルギーの症状を訴える方が急増します。
ニッケルは豆類にも多数含まれているので、知らず知らずのうちにニッケルを摂取してアレルギーになっているケースもあったりするので注意が必要です。
ニッケルアレルギーの人はコーヒー好きが多い傾向にあるようです。
ニッケルなどの金属は汗に集まる傾向があるので、ニッケルアレルギーで手湿疹がひどい人はコーヒーをやめると、症状も改善することもあるのです。
また、銀も要注意です。
アクセサリーだけでなく、制汗剤などの抗菌消臭スプレーや銀が練り込んである靴下などで反応が出たと症状を訴えて来られる方も増えてきています。
銀には臭いを抑える作用があるため、銀成分の含まれた制汗剤や靴下などが販売されていますが、銀入り制汗剤を脇の下に使って脇の下が真っ赤になったり、銀が編み込んである靴下を履いた人が足のところだけ真っ赤になったりなんてこともあるのです。
しかし、使用を避ければ症状の改善、回避ができますから診断はそれほど難しくありません。
歯の詰め物に金属が使われている人が、アレルギー反応を訴えるという事も多いようです。
この場合、口腔内だけでなく全身に皮疹が出たりするのです。
パッチテストでの診断が必要となりますが、汗をかくといろんなものに反応しやすくなるため、パッチテストの際には汗をかかない環境を整える必要があるわけです。
夏にパッチテストをやるとなると、大変な作業となるのです。
まれに金アレルギーの方もいるようです。
金を収集している高齢女性が、金が触れる手の部分だけが真っ赤になって病院に駆け込むなんてこともあるようです。
金はアレルギーを起こしにくい金属でありますが、いったん症状が出るとひどい症状になってしまうので心当たりがある方はすぐに病院を受診しましょう。
最後に
どの種類の金属アレルギーもパッチテストで診断できるようなので、金属アレルギーかなと思ったら涼しい時季に皮膚科を受診するようにしましょう。
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