コーヒーの味は使用するフィルターによって大きく変化します。おいしいコーヒーを楽しむためには、豆だけでなくコーヒーフィルターにもこだわりたいところではないでしょうか。
【素材別】コーヒーフィルターの特徴と使い方
コーヒーフィルターの素材は主に、紙・金属・布・陶器があります。
それぞれの特徴や味の違い、使い方などを確認していきましょう。
紙製(ペーパーフィルター)
ペーパーフィルターは、スーパーやコンビニ、100円ショップなどでも手に入る最もポピュラーなコーヒーフィルターです。
一口にペーパーフィルターといっても、メーカーによって形状はさまざまあります。
国内で最も普及している台形型をはじめ、円すい型や側面が波打ったバスケット型などの種類があるので、自分の使っているドリッパーの形と大きさに合わせて選ぶとよいでしょう。
ペーパーフィルターはほかの素材に比べ、繊維があって目が細かいため、コーヒーの油分や雑味がよくろ過され、すっきりとした味わいのコーヒーに仕上がります。
カラーは茶色と白色の2種類が販売されていますが、これは漂白の有無によるものなのです。
茶色は漂白されておらず、紙独特のニオイがコーヒーに移ることがあります。
白色は、漂白されているので紙のニオイは気にならないでしょう。
漂白する際は塩素系の漂白剤を使わずに酸素漂白しているため、体への害はありません。
ペーパーフィルターは使い捨てのため、面倒な後片付けは不要です。
しかし、なくなるたびに買い足す必要があり、長い目で見るとコストがかさみますね。
ペーパーフィルターの使い方
ペーパーフィルターの接着面を折り、ドリッパーとの間に隙間ができないようにしっかりと密着させます。
フィルターをセットしたらコーヒーの粉を入れ、約20ccのお湯を注ぎ、20~30秒ほど蒸らしましょう。
「蒸らし」は、おいしいコーヒーを抽出するうえで欠かせない工程です。
蒸らしには、焙煎する過程で発生したガスを抜くことと、お湯と粉をなじみやすくする目的があります。
蒸らし工程を怠ると、コーヒーの成分がしっかり引き出せず、味の薄いコーヒーになってしまいます。
蒸らしが終わったら「の」の字を描くようにお湯を数回に分けて注ぎます。
お湯がフィルターにかからないように注意して注ぎましょう。
ペーパーフィルターがおすすめの人
- すっきりとした味わいを好む人
- コーヒー初心者(手入れが不要なため)
金属素材(ステンレスフィルター)
ステンレスフィルターはその名の通り、金属製のフィルターです。
コーヒーの油分がろ過されることなく、そのまま抽出されます。
そのため、香りが強く、コーヒー本来のうまみや甘みをダイレクトに味わえるのが特徴です。
ステンレスフィルターは、円すい型が一般的で、メーカーによってメッシュの細かさが異なるのです。
素材はステンレスや純金メッキが主流です。
ステンレスはさびにくく衛生的に使える一方、金属のニオイがコーヒーに移る可能性があります。
ニオイが気になるようなら、チタンでコーティングされているタイプがおすすめです。
純金メッキは化学変化に強く、味や香りへの影響は少なめです。
ステンレスフィルターは水洗いすれば、繰り返し使用できるのがエコですね。
長い目で見ればペーパーフィルターよりもお得といえるでしょう。
デメリットもあります。
それは、他のフィルターに比べて目がやや粗い分、コーヒーの細かな粉も一緒に抽出され、舌触りがざらつくためです。
ステンレスフィルターの使い方
ステンレスフィルターは、フィルター全体に施された小さな目からコーヒーがしみ出してきます。
そのため、ピッチャーのような形をした専用容器「カラフェ」にセットして、しみ出たコーヒーを受け止めるのです。
フィルターをカラフェにセットしたら、コーヒー粉を入れ、ペーパーフィルター同様にお湯を注いで20~30秒蒸らします。
一気に注ぐとお湯がたまってうまく抽出されないので、ゆっくり注ぐのがポイントです。
使い終わったらコーヒーの粉を捨て、目に残った粉を水でよく洗い流してから、洗剤で洗いましょう。
粉が残っていると目詰まりの原因になるので、しっかり落としましょう。
洗剤を完全に洗い流したら、乾燥させて保管します。
ステンレスフィルターがおすすめの人
- コーヒー本来の香りや味をダイレクトに楽しみたい人
布製(ネルフィルター)
ネルフィルターで使われることが多いのは、フランネルという柔らかい布です。
このネルフィルターを用いた抽出方法を一般的に「ネルドリップ」といいます。
ネルフィルターは、ネル専用のハンドルに装着して使います。
味はペーパーとステンレスの中間といったところでしょうか。
コーヒーのうまみや甘みがしっかりと抽出され、雑味やコーヒーの細かい粉もきっちりろ過されるので、口あたりのまろやかなコーヒーに仕上がります。
ネルフィルターの使い方
まずは、新品のネルフィルターは、ぬるま湯でよく洗って「のり」をしっかり落とします。
そしてコーヒー液で10~20分ぐらい煮沸し、コーヒーをなじませます。
お湯に通して水気をしぼったら布のシワを伸ばし、温かいうちに粉を入れましょう。
ネルフィルターに水気が残っていたり、冷えていたりすると蒸らしが十分にできず、コーヒーの味が悪くなります。
2度目以降に使用する際も、コーヒーを淹れる前に熱湯をかけ、やけどに注意しながら水気をしっかりしぼり、熱い状態にしておくことが重要です。
最初にお湯を全体に注いでコーヒーを蒸らし、小さな「の」の字を描くように中心にお湯を注ぎます。
ネルはろ過のスピードが速いため、一気にお湯を注ぐと味の薄いコーヒーに仕上がります。
中央の膨らみが小さくならないように注意しながら、3回ぐらいに分けてお湯を注ぎましょう。
この際、お湯がネルに当たらないように気をつけるのがポイントです。
使用後は、ネルに粉が残っていると不快な香りがつくため、煮沸して粉をきちんと取り除くことがとても重要です。
粉が落ちたらふた付きの容器に水を入れ、フィルターを浸して冷蔵庫で保管します。
ネルを使用しない日も、水を毎日最低2、3回は取りかえましょう。
このように、ネルフィルターはお手入れに手間がかかるうえに、消耗品です。
20~30回使って、「コーヒー液がスムーズに落ちにくい」「抽出に時間がかかる」と感じたら、交換のタイミングです。
ネルフィルターがおすすめの人
- 手間ひまを惜しまないこだわり派の人
陶器製(セラミックフィルター)
目に見えないくらいの穴でろ過してくれるのが「多孔質セラミック」という素材を使用した陶器製フィルターです。
こちらの特徴は、液体を通すときに微粉や水に含まれる不純物、カルキ臭を取り除くため、雑味がなく口あたりのよいコーヒーが抽出されることです。
また油分も適度に抽出されるため、まろやかさも感じられる味わいになります。
まだまだメジャーではありませんが、これ一つでドリッパーとフィルターの役割を果たす便利なタイプです。
洗えば半永久的に使用できるのも嬉しいポイントです。
お茶やワイン、水などにも使えます。
セラミックフィルターの使い方
セラミックフィルターは、商品によって使い方が異なります。
一般的には、使う前に十分な熱湯を注いでフィルターを湯通しします。
コーヒー豆が細かいと目詰まりを起こすため、豆は粗挽き~中挽きで淹れましょう。
コーヒー粉を入れ、ペーパー同様にお湯を注いで20~30秒蒸らします。
十分蒸らしたら小さな「の」の字を描くように数回に分けてお湯を注ぎます。
使用後はコーヒー粉が残らないようによく水洗いしましょう。
また穴の詰まりを防ぐために、週に1度は煮沸などのメンテナンスが必要です。
セラミックフィルターがおすすめの人
- 苦味や渋みが抑えられたクリアな味わいが好きな人
- 新しい淹れ方を試してみたい人
コーヒー好きにおすすめのコーヒーフィルター
ここからは、イチオシのコーヒーフィルターをご紹介します。
【ペーパーフィルター】
手軽に使える!ハリオ V60ペーパーフィルター02 W 100枚
「ハリオ」といえば、ドリッパー・フィルターともに円すい型が特徴。
この形にすることでコーヒー粉の層が縦に厚くなるため、粉とお湯が触れる時間が長くなり、コーヒー豆のうまみをしっかりと抽出します。
パルプ100%を使用した、酸素漂白仕様の白色フィルターです。
ふた付きでほこりが付きにくい!山崎実業 YAMAZAKI tower コーヒーペーパーフィルターケース タワー
こちらのフィルターケースは真ん中に仕切りがあり、2種類のペーパーフィルターが収納できます。
例えば、1~2杯用と3~4杯用、円すい型と台形型といった感じに分けてはいかがでしょうか。
1枚1枚取りやすくいのはもちろん、ボックスタイプのためほこりやゴミがつきにくいのも人気の理由です。
アイアン製のおしゃれな見た目もいいですね♪
【ステンレスフィルター】
分解できて洗いやすい!キャプテンスタッグ コーヒーフィルター ステンレス S UW-3511
コーヒーの成分がダイレクトに抽出できるステンレスフィルターです。
ネルフィルター】
コーヒー愛好家に人気のネル生地!ネルドリップ コーヒーフィルター 2枚入 103 4~7人用
ネル生地をペーパーフィルターのように台形型にしたネルフィルターです。
まろやかで渋みの少ないコーヒーを抽出できます。
サイズが4〜17人と割と大きめなので、来客時にも対応できるので便利です。
水洗いで約60回も繰り返し使えるため、経済的です。
【セラミックフィルター】
遠赤外線効果でまろやかに!コーヒーがおいしくなるフィルター コフィル 波佐見焼
長崎県の波佐見焼の職人が特殊な製法で作ったセラミックフィルターです。
セラミックの力で、コーヒーをまろやかな口あたりにしてくれます。
ペーパーフィルターよりもコーヒーの油分をしっかり抽出するため、コーヒーのうまみをダイレクトに感じられるのではないでしょうか。
最後に
コーヒーフィルターの素材ごとの特徴と、おすすめフィルターをご紹介しました。
コーヒーの味はフィルターの素材によって変化します。
すっきりとしたクリアな味が好きならペーパー、重厚な味が好きならステンレスなど、好みによってフィルターを使い分けてみるのも面白いのではないでしょうか。
いつものコーヒーがよりおいしく感じられるはずです。
ぜひ様々なフィルターでコーヒータイムを楽しみましょう。
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