コーヒーを摂取することで心拍数が下がるようです。そして、心拍数が下がれば心臓への負担が減り、心不全になりにくいようなのです。何が影響しているのでしょうか?
心拍数の多い人ほどコーヒー摂取量が少ない
コーヒーを毎日数杯ずつ飲むと、心拍数が下がり、死亡リスクを抑制する可能性のあることがわかってきたというのです。
1999年の調査で判明したのが、コーヒーをよく飲む人ほど、血圧、中性脂肪値、血糖値が低く、善玉コレステロール値が高いという結果でした。
つまり、コーヒーをよく飲む人は、メタボリック症候群になりにくいということだそうです。
そして、20年後の死亡率を調べてみると、コーヒーをよく飲む人は、あまり飲まない人に比べて死亡率が低いという結果が出ました。
次に、私たちは心臓病との関連を調べるため、心拍数についても解析を行いました。すると、心拍数の多い人ほど、コーヒーの摂取量が少ないことがわかったのです。
心拍数が多い人は、心臓がそれだけ速く拍動しているということです。
拍動が速いと、心臓が収縮したあと、十分拡張する時間がなく、拡張障害が起こりやすくなります。十分拡張しないと心臓に血液が戻りにくいため、循環不全を起こし、心不全のリスクが高まるのです。
24時間の心拍数で見ると、頻拍の人は正常な人に比べ、20〜30%も多く拍動していることになります。それだけでも心臓に余計な負担がかかっていることは、想像がつくのではないでしょうか。
コーヒーを摂取することで心拍数が下がれば、心臓の負担が減り、心不全になるリスクも低下することが期待できます。
実際、コーヒー摂取量から生存率を比較してみると、1日にコーヒーを300ml以上飲む人は、それ以下の人に比べて、追跡期間が長くなるごとに生存率が高くなっています。
これは、死因を心臓病に限定したものではありません。しかし、心臓病を含めた総死亡に対して、コーヒーが好ましい影響を与える可能性が示唆されたといえます。
自律神経を調整して心拍数を低下に導く
コーヒーにはインスリン抵抗性を下げる(改善する)作用があるから 効果が期待できるという事になるのだそうです。
インスリン抵抗性とは、インスリンが十分に作用しない状態です。
インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きなどがあります。今はメタボリック症候群の源流に、このインスリン抵抗性があるといわれています。
また、インスリン抵抗性は、自律神経(意志とは無関係に血管や内臓の働きを調整する神経)の活動時に優位になる交感神経を刺激して、血圧や心拍数を高くします。
インスリン抵抗性を下げることが、メタボリック症候群の改善や心拍数の低下につながるというわけなのです。
コーヒーがインスリン抵抗性を下げるのは、カテキンの一種・タンニンとクロロゲン酸の作用によるものと考えられます。いずれも、抗酸化作用を持つポリフェノールの一種で、クロロゲン酸には血糖上昇の抑制作用があるといわれています。
カテキンというと、緑茶のイメージがありますが、実は緑茶でカテキンが多いのは、玉露などの高級なお茶だけです。また、クロロゲン酸は唯一、コーヒーだけに含まれる物質です。
ですから、特にメタボリック症候群や心機能が気になる人には、日常的にコーヒーを飲むことをおすすめします。
コーヒーの種類は、なんでもかまいません。
カフェインが気になる人は、カフェインを取り除いたデカフェでもいいでしょう。インスタントコーヒーや缶コーヒーでもかまいません。
ただし、砂糖やミルク(コーヒーフレッシュ)は血糖値や中性脂肪値を上げる可能性があるため、ブラックで飲むほうがいいでしょう。
最後に
コーヒーの1日の摂取量は、一般的なコーヒーカップで3杯以上が目安です。
コーヒーには利尿作用があるので、寝る前に飲むのは控えたほうがいいでしょう。
危険リスクが減るのであれば、積極的にコーヒーを飲むようにしたいものですね。
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